アディダスがCCMブランドを売却し、NHLの公式ジャージなどはadidasロゴに?

ニューヨークタイムズ紙によると、アディダスがCCMブランドを$100,000,000で売却することが決まったそうです。売却先はカナダのBirch Hill Equity Partnersだとか。

アディダスは近年その中核事業に集中するためか、買収した企業を売却して整理しようとしています。4年前の2013年には、CCMブランドを一旦1億5000万ドルにて売却しようとしましたが、この計画はうまくまとまりませんでした。ほぼ同時にゴルフブランドのTaylorMadeも売却を計画し、こちらは約4億2500万ドルで合意に達しています。CCMのスティックでTaylorMadeとのコラボ商品があることをご存じの方も多いでしょう。今回の売却劇でこのコラボ商品は追加モデルが無くなることが濃厚になってしまいました。RBZ RevolutionやRBZ SpeedburnerなどCCMのスティックでTaylorMadeとのコラボ商品を愛用されている方は、在庫のあるうちにストックを増やしておかれた方が良いかもしれません。

さて、元々NHLのチームジャージなど、公式アパレルブランドであったCCMですが、Reebokによって2004年に買収されたことからNHLの公式アパレルブランドはReebokに替わっています。Reebokはアイスホッケーの防具メーカーであったJofaも同時に買収することによって、防具やスケート、スティックなども含めたアイスホッケーの総合ブランドとなったわけですが、2015年にアパレル以外の分野においてReebokブランドとしての展開を諦め、CCMブランドに統合しました。このReebokですが、2005年には既にアディダスによって経営統合され、アディダスの展開するブランドの1つとなっています。

このように、防具、スケート、スティックなどはCCMに、NHLの公式アパレルの製造、販売ライセンスはReebokへと、2つに分かれていたわけです。今回のアディダスのCCMブランドの売却によって何が起こるかと言うと、NHLプレーヤーが着用するアパレル、ホッケージャージやTシャツなどはadidasのロゴが入ったものに替わる可能性が高く、ヘルメットやグローブ、スティックなどのCCMロゴはそのまま継続されることになりそうです。

CCMと双璧となるBauerも、過去にNikeよって買収され2005年から2008年の間はNike Bauerブランドとして展開していました。その後、Roustan Inc. と Kohlberg & Co. が$200,000,000でBauerブランドをNikeから買い上げることでBauerとして戻っています。BauerはCascadeやMaverikなどのラクロス用品ブランドを買収したり、他にも野球用品でも有名なEastonを2014年に買収し、スポーツ用品ブランドとして拡大してきましたが、その親会社であるPerformance Sports Groupは2016年に経営破綻。この危機は2017年にPeak Achievement Athletics Inc.が現在の新しい親会社となることで収まっています。

昨年2016年には老舗で根強いファンの多かったGrafが経営破綻したり、前述の通りBauerの前親会社のPerformance Sports Groupが経営破綻したりと、ホッケー関連メーカーの経営上の暗いニュースが多かった近年ですが、結局BauerもCCMもそれぞれが独立してブランドが維持されるようで一安心です。

更にはカナダのオーダーメイドスケートブランドのVHスケートがTRUEに経営統合され、アメリカ国内でも広く展開されていく予定となっているなど、こちらもエキサイティングなニュースとなっています。

 

引用:Adidas laces up $100M hockey brand sale [New York Post]

引用:TRUE TEMPER SPORTS ACQUIRES VH FOOTWEAR

 

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