アイスホッケーはやはり危険なスポーツだという現実

MinnesotaのDuluthへの遠征を終え、U12AでプレーしているSuzyが帰宅してきました。ホテルで宿泊するような遠征は、冬の期間は1回だけと決まっているので、この点はMinnesotaでのホッケーの方がCaliforniaより楽だと感じます。CaliforniaでのSCAHAというカリフォルニア州南部での試合や、CAHAとしてカリフォルニアの州内全域を対象にした大会に始まり、隣のアリゾナ州、コロラド州などにまで足を延ばすこともありました。AAAクラスになると、アメリカの東部への遠征も頻繁になり、飛行機での移動に費用は結構な額になります。

Minnesotaと一括りにホッケーを語ることは難しく、DuluthやFargoなどの北部や反対に南部に行くと、EdinaやEden Prairie、Wayzataなどの高校ホッケーのAAにおける競合がひしめくMinneapolis近郊でホッケーをしていることを羨ましがられます。これは、有力選手はこぞってUniversity of Minnesotaなどの都心部の大学でのプレーを望み、卒業後も都心部で就職することが多いため、結果的に彼らが大人になって子供たちのホッケーに係るとき、レベルの高いホッケーをしてきた人が都心部に集まってしまっている、という傾向が生まれます。南部の方と話した時、彼は地元でのユースホッケーチームでは、コーチのレベルがどうしても低すぎるため、地元ではなく都心部のプライベートチームでプレーさせている、と言っていました。そのプライベートチームのリンクは、彼の家からだと片道2時間くらいはかかってしまう距離です。週に3回から4回程度の練習に通わせるのは大変なはずです。

コーチの質はミネソタでも問題になることがしばしばですが、今回のDulushでのトーナメントのように広い地域から集まってくるようなトーナメントだと、必ずと言って目にするのが「ホッケーを勘違いしている人」がコーチングをしているチーム。最たるのはGirlsチームだというのに壁際で後ろからのチェッキングを煽るようなチームです。Suzyのチームでも、2年前のU10Aでのトーナメントの決勝、相手は南部の地元チームでしたがこちらのディフェンスでのキープレーヤーが後ろからのチェッキングで脳震盪になりました。ベンチだけでなく、ペナルティーボックスに入っている父兄のボランティアまで「Good Job!」なんて声をかけていたのには閉口しました。

今年も大会が終わり、誰もケガがなかったようで安心していたのですが、Suzyが学校から帰ってくるなりグループチャット上でメンバーの一人が最後の試合でのチェッキングで脳震盪になっているようだと大騒ぎしだしました。ディフェンスをしていた彼女はネット裏でのパック処理時に後ろから相手のフォワードにチェックを受け、ゴールに頭をぶつけていたそうです。

毎年それぞれのチームのメンバーの中で、少なからず一人は程度こそありますが脳震盪になったと聞かされます。アイスホッケーは、試合だけでなく練習中の転倒、衝突など頭をぶつける危険性は常について回るスポーツです。

親として気を使えるのは十分な防具とマウスピース、そしてわずかばかりのアドバイスだけです。「常に周りを見て、ボード際では止まらない」と。

脳震盪の原因の一つ、「衝突」については大学の研修チームの面白いレポートがいくつか公開されています。物理的に、という見解で面白い内容でしたので、これについては別の記事にて紹介したいと思います。

十分な防具、という点では「ヘルメット」が重要視されますが、実はヘルメットでは脳震盪から守れない、というのがアメリカでは最近の通説になりつつあります。ヴァージニア工科大学が公開した市場のヘルメットの安全性テストのレポートも各方面から物議をかもしています。この話題も別の記事にて紹介させていただければ。

成長の途中での脳震盪は、その先の長い人生に影響を与えかねないもの。「故意」による危険な反則には指導者であるコーチを含んだ厳罰も必要なのでは、と考えます。彼らの勘違いによる悲惨な怪我を抑止する、という意味で。